ドイツ・アウグスブルグで開催された、国内バイヤー向けのオーガニック見本市「BioSüd」。会場までの道中にも看板や垂れ幕などのサインは見当たらず、会場入り口スペースでPRしていた企業はわずか2社。入り口入ってすぐの受付付近も、大掛かりな装飾などはなく質素だ。

2ホール内に500ブースが並ぶということで、小スペースのブースも多い。しかもBioSüd (ビオズュード)の開催はたった一日。それでも出展者たちは、各ブース作りにしっかり力を注いでいる。ビジネス向けでも、美しく、楽しく。魅せる努力も惜しまないのは、さすがだ。

数多くのブースが立ち並ぶ会場の中でひときわ存在感を放っていたのが、本物の有機野菜を使ったオブジェやディスプレイ。

インパクト抜群!

魅力のないブースに、来場者は見向きもしない。ただ商品を並べただけでは数多くの出展者の中で埋もれてしまう。

本物の樹やハーブなどの植物をディスプレイするところも多い。

個性的なブースはまた別として、日本の展示会と何かが違う。その違いの1つは、製品を置く棚や什器、テーブルやいすなどの備品に関しても、木製など自然素材のものを中心に使用されているところだ。会場全体の調和がとれていて温かみのある見本市だ。日本でそこまでやろうとすると出展のコストがとてもかさんでしまう為、なかなかそこまで拘れないのが現実だが、それでもマネできそうなちょっとしたアイディアが満載だった。

例えば、カウンターや商品を置くテーブル。DIYなどで工夫している出展者も多い。

ディスプレイ用の台も木製。

丸太を並べて製品を置いたり、切り込みを入れてちらし置き場に。

パーテーションの一部壁面に木が加わるだけでも雰囲気が変わる。商談用のテーブルや椅子も出展者が用意してるのか、ブース事にそれぞれ異なる。

何よりうらやましかったのは飲食スペースだ。広々としたスペースを使っていて、すべて木でできたテーブルとイス。生花なども飾られ、遠くを見渡せばあちこちに緑が見えてほっとする。やはり、オーガニック専門の展示会に、大量生産された折り畳みパイプ椅子やテーブルは似合わない。

モダンでスタイリッシュな会場やブースも素敵だが、手作り感あふれるぬくもりのある空間はどこか懐かしく居心地がいい。時代に逆行しているようでもあるが、自然と調和すること、資源を有効かつ大切に利用することはベースとなる考え方。「BioSüd 2017」は、最新のオーガニック製品にふれる場でありながら、20年以上前の自然食品業界の時代を彷彿とさせ、原点回帰を体感できる見本市だった。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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