オーガニックプレスが「オーガニック番付2021」を発表!2021年の1年間を通して話題になった商品やサービス、キーワードをランキング形式でご紹介します。
今年の番付の第1位は、5月12日に策定された『みどりの食料システム戦略』。中間取りまとめの際に示された、2050年までに目指す姿と取組方向の中で、「農林水産業のCO2ゼロエミッション化」「化学農薬の使用量(リスク換算)50%削減」「輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量30%削減」そして、「耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大」との記載があり、業界内でも大きな話題となりました。
業界関係者にとってみれば、突然降ってわいたような話でもあり、しかも現状の数値とはあまりにもかけ離れた目標。具体的施策に乏しい感が否めない・・・。そんな戸惑う声も聞かれた一方で、高い目標とはいえ、具体的に数値で目標が示されたことに評価の声も。環境問題や有機農業への取組みにようやく政府が本腰を上げて取り組み始めたという印象から、期待感も高まっています。
また、2020年に続き、今年も多くの人々が外出自粛を余儀なくされました。自宅での食事に、少し価格が高くても有機食品を選ぶという方も増えてきました。コロナ禍の巣ごもり需要によるまとめ買いなどがあった、2020年の特需に比べれば落ち着いたものの、2021年に入ってからも流れは大きくは変わっておらず、2019年と比べれば売り上げは増。業績はおおむね好調に推移中という声が、業界関係者から聞こえてきています。コロナ禍においても、オーガニック専門店は都内を中心に続々登場しています。(第2位 オーガニックショップが続々オープン)
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【1位】みどりの食料システム戦略
▽【農林水産省】「みどりの食料システム戦略」中間とりまとめを公表
https://organic-press.com/news/administrative_news202104-01/
▽【農林水産省】「みどりの食料システム戦略」を策定(令和3年5月12日)
https://organic-press.com/news/administrative_news202105-01/
▽【農林水産省】「みどりの食料システム戦略」説明動画を公開
https://organic-press.com/news/administrative_news202108-01/
▽【農林水産省】「みどりの食料システム戦略」パンフレットを作成
https://organic-press.com/news/administrative_news202109-01/
【2位】オーガニックショップが続々オープン
ビオセボン2021年に7店舗をオープン(計27店舗 12月末現在)、自然食品F&F 8店舗をオープン(計29店舗 12月末現在)、その他にもライフスタイル系セレクトショップなども、多数オープンしました。
▽新店舗オープンニュース一覧
https://organic-press.com/tag/shop-open/
▽オーガニックプレス登録 SHOP 一覧
https://organic-press.com/category/shop/
【3位】オーガニック給食
「身体は食べたもので作られる」という考えから、リンデンホールスクール小学部・中高学部では、子どもたちの健やかな成長を最優先に考え、2019年9月から学校給食の一部にオーガニック野菜の使用を開始。2021年1月からは給食のほぼすべての野菜・米をオーガニックでの通年提供を開始しました。
▽全国の一条校で初!リンデンホールスクールがほぼ100%“オーガニック給食”の通年提供を開始
https://organic-press.com/news/local_news31/
【4位】コロナ禍の展示会・オンライン開催
毎年ドイツで開催されている世界最大級のオーガニック食品とナチュラルコスメの国際見本市「BIOFACH / VIVANESS」が、2021年は“eSPECIAL”としてオンライン開催に。2月17日(水)~19日(金)の3日間で、136カ国から13,800人の参加者と、1,442社の出展企業・団体がデジタルプラットフォームに集合しました。
日本で開催された「オーガニックライグスタイルエキスポ」は、リアルとオンラインのハイブリッド開催に。また、コロナ禍においてはメーカーのメディア向け新製品発表会などは、オンライン中心となりました。各社効果的にオンライン開催する方法を模索しながらも、コロナが落ち着いたらやっぱりリアルで開催したいね、という声も多く聞かれました。
【連載コラム】
神木桃子の「深掘りドイツのオーガニック事情」
▽BIOFACH / VIVANESS 2021がオンライン開催!コロナ禍のいま求められることとは?
https://organic-press.com/column/kohgi_column_vol37/
▽BIOFACH / VIVANESS 2021オンライン開催は出展企業にとって逆風?!
https://organic-press.com/column/kohgi_column_vol38/
【5位】代替肉 / 培養肉
2019年のオーガニック番付で第3位にランクインしたときには、世界のトレンドとして紹介していた記事。2020年も2位にランクインしました。今年は大手企業により商品化されたり、外食産業が取り入れるなど、代替肉が多くのメディアで取り上げられ、3年連続のランクインとなりました。気候変動などSDGsの課題解決の側面、環境保護意識の高まりや健康志向などの影響もあり、日本でも本格的なブームとなりつつあります。オーガニックやナチュラルであるものは少ないですが、来年もますます代替肉は身近なものとなり、その選択肢は増えていきそうです。
▽培養肉の前哨戦?プラントベースの肉代替品が、よりリアルに進化している
https://www.organic-press.com/feature/world_report108/
▽見た目も味もまるでお肉!? オムニミート(OmniMeat)から待望の使い切りサイズが新発売
https://organic-press.com/news/alishan_news05/
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【6位】ヴィーガンバター&チーズ
2019年の記事ですが、よりリアルさを増し、ヴィーガンやベジタリアンでなくても満足できるものに近づいている、植物由来のバターやチーズ。日本でも商品化されています。
▽フェイクがリアルに近づいた。プラントベースの代替乳製品。ヴィーガンバター&チーズ
https://organic-press.com/world/world_report106/
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【7位】オートミール&オーツミルク
コロナ禍の健康維持にオーツを使った食品がブームに。オーツ麦を使った牛乳の代替品「オーツミルク」人気とともに、「オートミール」を使ったレシピが多く検索されました。
▽ORGANIC RECIPE / オートミール
https://recipe.organic-press.com/tag/oatmeal/
▽ブリッジ社「オーツドリンク」にグルテンフリー・チョコレートの2種が新登場!
https://organic-press.com/news/mitoku_news60/
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【8位】サルベストロール
2019年の番付で4位にランクインした「サルベストロール」ですが、今年も多くの方に検索されました。オーガニック農産物に多く含まれる天然植物成分「サルベストロール」のエビデンス(科学的根拠)が注目されています。
▽欧米の医療現場で注目されるサルベストロールの存在!?
https://www.organic-press.com/feature/salvestrol_01/
▽サルベストロールの正体をもっと知る
https://www.organic-press.com/feature/salvestrol_02/
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【9位】オーガニックバウムクーヘン
有機の卵や牛乳・バターなどを使用した「有機畜産物加工品」は、健康、環境、動物全てにやさしい製品で、欧米には沢山ありますが、日本には殆どありません。「黒富士農場の有機ばうむ」は、有機JAS認証を取得した日本で初めてのバウムクーヘンです。
▽日本初!有機JAS認証オーガニックバウムクーヘン「黒富士農場の有機ばうむ」新発売
https://organic-press.com/news/kurofuji_news01/
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【10位】固形シャンプー
シャンプーの常識が、液体から固形に代わる?ペットボトルなどの容器を使わずプラスチックフリー包装に。重量も軽く輸送で環境に負荷をかけません。
▽もっとサステナブル!LOGONA(ロゴナ)から固形シャンプー「ソリッドシャンプー」が登場
https://organic-press.com/news/logona-japan_news27/
▽もっとサステナブル!固形シャンプーの仕上げに「ロゴナ ソリッドコンディショナー」新発売
https://organic-press.com/news/logona-japan_news31/
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この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。