牛乳の代替品として親しまれてきたのが豆乳。その後、アーモンドミルクやライスミルクなど、ナッツや穀類など植物由来の乳代替品、第3のミルクと呼ばれるものが続々と登場してきた。同じ乳製品であるバターやチーズに対しても、同様の動きが広がってきているようだ。

一昔前までは、バターの代替として有名なのがマーガリンだった。植物由来ではあるもののマーガリンはトランス脂肪酸を含む代表的食品としてあげられ、ネガティブイメージが広がっている。昔からオーガニック、ナチュラル業界では、バターの代わりにナタネ油や白ごま油を使ったレシピなどを提案してきたが、固形・半固形化したものではないため、食べ方が限定される。オリーブオイルのスプレッドタイプやココナッツオイルなどを代用として推奨する動きも見られたが、バターのような風味や使用感を実現するのは難しかった。


そんな中、今回の「Natural Products Expo West 2019」では、全体としても「PLANT-BASED(プラントベース・植物由来)」をかかげた商品が多く見られた。その中でもヴィーガンバターやヴィーガンチーズなど、代替乳製品が今までとはちょっと異なるコンセプトで登場していたのは興味深い。

まずはバターの代替品。中鎖脂肪酸を多く含むココナッツやパームフルーツを中心に、良質な油やカシューナッツのようなナッツなど、複数の原料を組み合わせて配合。オーガニック原料を使用し、トランス脂肪酸フリー。使用感はバターよりはマーガリンに近い滑らかさだ。色合いも風味も、よりリアルに近づけている。

リアルに近づいた理由。その秘密は「Cultured」。ヨーロッパスタイルの発酵バター(Cultured Butter)の製法を取り入れていることが、その一つにあげられる。Lactobaciilus Cultures(ラクトバチルス属乳酸菌培養物)を使うことで、乳酸菌が作り出す酸味や風味がもたらされ、発酵の技術を応用することでより豊かな味を与えてくれる。

フランスの白カビタイプのチーズの一種、ブリー(Brie)を再現したヴィーガンチーズも、原料はカシューナッツ(Organic Raw Cashews)やココナッツオイル。バター同様にLactobaciilus Cultures(ラクトバチルス属乳酸菌培養物)を使用。ブリーに特徴的な皮の部分は、ホンモノ同様にペニシリウム・カンディデゥム(Penicillium candidum)と呼ばれる白カビをつけて熟成させて作られている。この白カビが独特のおいしさを再現。見た目も、味も、まるで本物!


一昔前まで、乳製品不使用のヴィーガンチーズ(VEGAN CHEESE)は、見た目をチーズに寄せているものの、味の方はもう一歩というものが多かったが、これなら、言われなければフェイクだとは気づかない!?より美味しく、よりリアルさを増し、ヴィーガンやベジタリアンでなくても満足できるものに近づいている。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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