日本のコラーゲンは、魚由来と豚由来が主流で、牛由来のものは少ないという印象がある。おそらく、2001年9月に国内において初めてBSE(牛海綿状脳症)の発生を確認してから。あの頃は米国をはじめBSE発生国の牛肉の輸入が停止となり、肉そのものだけでなく、ビーフエキス、コラーゲンやゼラチン、カプセルなどの加工食品まで、原産国の確認や使用部位などの調査を余儀なくされた。発生国以外のものでも、販売を見合わせられてしまうケースがあったりなど、当時は大問題となった。
コラーゲンは、豚、牛、鶏など動物由来の皮、魚の皮やうろこから抽出されるため、今までオーガニックの製品は見たことがなかった。プロテインでオーガニックはあっても、コラーゲンでオーガニック認証の製品はない。というのも、特にフィッシュなどは、そもそもオーガニック原料が入手しにくい。また、コラーゲンの抽出方法やペプチド加工するプロセスなどにおいて、オーガニック基準を順守し製品化する難しさは、容易に想像できる。
そんな中、Natural Products Expo West 2023 のSports Research(スポーツリサーチ)社ブース前で、思わず足を止めて二度見した、“ORGANIC COLLAGEN (オーガニックコラーゲン)”の文字。
どうやら、世界初となる“オーガニックコラーゲンペプチド”が誕生したらしい!調べてみると、ブラジル産のグラスフェッド(牧草で育てられた)牛由来の純粋なコラーゲン(I型コラーゲンとIII型コラーゲン)とのこと。USDAオーガニック認証の他、NSFグルテンフリー認証、IGENによるNon-GMO Tested マーク付きだ。
サンプルをいただけたので、早速試してみることに。
原材料は“Organic Hydrolyzed bovine collagen peptides.”のみの粉末タイプ。
ノンフレーバーなので、色々な飲み物などに加えても味を変えることなく、摂取できる。プロテインやスムージーなどにプラスしても。冷たい水にも入れてみたが、やはりコーヒーや紅茶などの温かい飲み物だとより溶けやすかった。
原料がオーガニックであること、さらにはグラスフェッドであることに加え、「従来のコラーゲンペプチド抽出方法よりも70%少ない水と60%少ないエネルギーで作られています。」との記載も。コラーゲンも、よりサステナブルなものが選択できる時代になってきた。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。