ヨガインストラクターさんは、実際、どんな食生活をしているのでしょう。今回は、ニューヨークと日本を行き来しながら、インストラクターの指導と育成を中心に活動しているヨガインストラクターのヤスシさんにお話を聞きました。

ヨガインストラクターのヤスシです。僕の食の選択はその時々により少々変動してきましたが、1999年からはペスカトリアンとしての食生活を保っています。ここ数年はNYではほぼラクト・ベジタリアンで過ごし、日本にいる間はペスカトリアンという感じでしょうか?特に無理もしていなければ不自由もなく、ごく自然な状態です。

NYメキシコ料理レストランの天然サーモン

ニューヨークでは日本でのホテル生活とは異なり、自宅のキッチンが使えるので基本的に自炊しています。オーガニック豆腐をはじめとする大豆製品や豆類(ナッツも含め)を蛋白源とし、玄米やキヌア、野菜や果実類も可能ならばオーガニックを探して調理しています。

最近凝っている自家製キノアサラダ(全てオーガニック食材)

ヨガクラスの帰りなどにオーガニック食品を扱っているスーパーマーケットに立ち寄って財布と相談しながら買ってきます。近くのスーパーで簡単に食材を揃えることもありますが、サラダとしてそのまま食べる葉野菜や、フルーツはオーガニックを選びます。たまに魚介類を買う時は、養殖物を避け天然のものを選びます。

NYオーガニック無花果

NYオーガニックチェリー

NYでの外食はヴェジタリアンやマクロビオティックのカフェ Angelica Kitchen, Peacefood Café, Ayurveda Café, 1971年創業のSouenを利用することもあります。普通のレストランでもメニューにヴェジタリアン用の印がついている場合が多く、例えばスープでも動物性のベースでないことがひと目で分かるようになっています。やはりアメリカでは個人の自由や権利を尊重する文化の為か、レストランでも融通を利かせて個人的な希望に応えてくれます。どんな食材を使っているかという質問にも丁寧に答えてくれるので、ありがたいです。

NYテイクアウト ヴェジランチボックス(カリフラワー・ブロッコリー・スナックピー・キノア)

NYカフェのキノアサラダ (Le Pain Quotidien)

実は今年に入ってからグルテン摂取を抑えているので、外食での制限が増えてしまいました。体がグルテンを受け付けないわけではないので、自分のルールに振り回される手前で調整しています。

自家製ジェノヴェーゼソース(オーガニックバジル・オーガニックオリーブオイル) ※グルテンフリーパスタもありますが味や食感が落ちるので全粒粉パスタ使用

日本ではホテルに滞在するので基本的に外食やテイクアウトに頼ることが多く、蛋白源を魚に頼る機会が増えます。生魚は苦手なのですが、日本では季節ごとに出回る魚の種類が豊富なので魚をメインにした和食を楽しみます。豆腐料理の種類も多くてありがたいですね。乳製品を控えた時期もありましたが、タンパク質の必要性を考え、ランチにもよくヨーグルトを食べます。

新宿ヴェジタリアンカフェ サラダロールとソイミート

日本滞在中はヴェジタリアンやマクロビオティックカフェなどがあれば迷わず利用しますが、それが無くても美味しいものが沢山あるので不自由な感覚はありません。魚の摂取をオッケーにし、和食を選べば外食でも困りません。

最近はNYからグルテンフリーシリアルを大量に持って行き、現地調達の豆乳で朝ご飯を食べています。気に入っているナッツも多めに持っていきます。

日本からNYに戻る時には、手に入りにくい十割蕎麦や質の良い乾物類を持って帰ることもあります。

NYヴェジカフェ ひよこ豆ナゲット W/セサミソース(Peacefood Cafe)

スイーツに限らず白糖はなるべく避けたいのですが、日本には美味しいものがあり過ぎて誘惑に負けていますね。他にも添加物、農薬の有無や新鮮さを考え始めると神経質になり、ストレスへと発展しかねません。理想的なオーガニック食品からは遠ざかることが多いですが、行く先々でなるべく質の良いものを摂るように心がけています。

NYヴェジタリアンインディアンレストランのランチ(Pongal)(NYに訪れるヨガの生徒さんにも紹介している)

食に拘り過ぎれば身動きが取れなくなるのが分かるので、日本とNYを行き来するユニークな生活スタイルを維持するのに現実的でストレスにならない食生活を保っています。思い入れがあっても、自分がそれに振り回されれば不自由になりますね。

健康状態の良好さには自信があります(笑)。安定した食事と睡眠のお蔭だと思っています。

食には何よりも楽しみと喜びが大切ですね。

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ニューヨークと日本を交互に生活の拠点としているヤスシさんの食生活からは、「質のいいものを選ぶ」「楽しむ」というキーワードが浮かんできました。オーガニックやベジタリアンを選択していても、あれもダメ、これもダメ、という制限よりも、その土地で楽しめる食材を美味しくいただく、ない場合にはこれで代用しよう、あるいは持っていこう、というような工夫が見られますね。

日本では、和食ならヘルシー、というようなざっくりとしたイメージがあるものの、ニューヨークのように、調理法や、素材についてきちんと表示がされているお店や、細やかに対応してくれるお店はまだまだ少なそうです。そういったカルチャーの違いもまるごと楽しむのが、ストレスのない食生活になっているのかもしれません。

ヤスシ(田中康資) yasushi
ヨガインストラクター。スタジオ・ヨギー/ヨギー・インスティテュート エグゼクティブ・ディレクター。

ダンス留学をきっかけにニューヨークに在住。アイアンガーヨガ、アヌサラヨガを学び、NYのワールド・ヨガ・センター、ヨガ・マンダリ、ステップス74、バレエアーツなどでヨガクラスを担当。2004年スタジオ・ヨギー エグゼクティブ・プログラム・ディレクターに就任。現在もNYと日本を往復しながら後進の育成に努める。

米国500時間アライアンス E-RYT500講師
監修・指導・出演:DVD『股関節をひらくためのシークエンス~極楽鳥のポーズ~』(ヨギー・インスティテュート発売)

この記事を書いた人

スタジオ・ヨギー/ヨギー・マガジン
コンテンツディレクター 七戸 綾子

studio yoggy presents「ヨガをする人たちのほんとうのところ」
ヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」を全国20カ所に展開する株式会社ロハスインターナショナルにて、コンテンツディレクターを務める。音声アプリ「音ヨガ」「寝たまんまヨガ」の企画・制作、広報誌やオウンドメディアの編集を経て、2016年「ヨギー・マガジン」を立ち上げ、ヨガにまつわる記事やストーリーを発信している。

これまで一番効果があったダイエットは、炭水化物、脂肪、糖分を抜く“リセットダイエット”だったが(-9kg減)、元来の食いしん坊が災いしてあっという間にリバウンド。鍼灸師であり食事療法士の辻野 将之氏に、東洋医学に基づいたホリスティックな視点を学び、食養生ジュニアコーディネーターに。現在は、旬のもの、ナチュラルな素材のものを美味しく食べることを心がけている。

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