
2025年8月22日、埼玉県草加市にて「有機野菜を楽しむワークショップ in 草加」が開催されました。このイベントには5家族(大人6名・子供10名)が現地参加。有機野菜を育てられている「チャヴィペルト」さんと、そのお野菜でお料理を出されている「バル スバル」さんを訪ね、収穫と料理を親子で体験する一日となりました。

今回収穫体験をする農場、チャヴィペルトさんの畑の一角に作られたコミュニティースペースで、まずは主催者、有機農業推進対策事業(農林水産省)オーガニック飲食店等普及推進プロジェクトによるオリエンテーションが行われました。お子様の虫さされ防止のために使用する虫よけも、殺虫成分の農産物への混入をできる限り防止するため畑の中で使うのはNG。天然成分の虫よけスプレーをほ場に入る前に使用するなど、有機の圃場ならではの注意事項なども参加者に伝えられました。
まるで探検のようなワクワク収穫体験

まずはゴーヤのトンネルをくぐりながらの収穫からスタート!
生産者の中山さんからゴーヤの選び方、実の採り方などのレクチャーを受け、この後料理で食べる分を各々収穫していきます。中山さんによれば、ゴーヤの表面のイボがつまっているようなものが苦味が強く、比較的凹凸が大きく滑らかなものは苦味が少ないそうです。

ハサミが無くても、実の付け根部分をねじると簡単にもぎ取ることができます!

スーパーではほぼ同じ大きさの濃い緑色のゴーヤが並んでいますが、ここに来ればゴーヤの大きさも、カタチも色も、ひとつひとつ違うことがわかります。濃い緑色、白っぽいもの、そしてオレンジや黄色のゴーヤも。この黄色く完熟したゴーヤ、中は赤く甘くて美味しく食べることができるんです。店頭ではまず売られていないので、ここではじめて目にしたり味わう家族がほとんど。こういった学びは実際に畑に来たり自分で育ててみないと、なかなか得ることはできません。

次に、背丈を超えるほど茂った万願寺とうがらしの畑を、かき分けながら収穫していきます。

他にも、大葉、空心菜、モロヘイヤ、バジル、茄子など、それぞれの収穫の仕方や美味しい部位、見分け方などを学びながら次々に収穫していきます。子どもたちも、摘みたてのバジルはより一層香りが高いことを、無意識に感じ取っているよう。

それぞれの野菜の香りや青々とした草、土の匂いなど、五感で感じる畑の時間。親子でコミュニケーションを取りながら食を学び、農作物を収穫することの楽しさを感じる貴重な体験となりました。

自分で収穫した野菜を調理して味わう
畑での収穫を終え、バル スバルさんへ移動。
各家族ごとに、まずは収穫した野菜を洗います。

メニューにあわせ、大人がしっかり付き添いながら野菜を切っていきます。

農園で摘んだミントなどのハーブをはハーブウォーターに。また、昼食のメニューのそうめんに合わせて、収穫した野菜を天ぷらにしたり、茹でたり、タレにしていただきます。

大葉の天ぷらも子供に大好評で、おかわりも続出。ぬめりのあるモロヘイヤは好き嫌いが分かれるかな?と思われましたが、美味しいとの声があちこちで聞かれました。また、茄子が苦手で今まで食べられなかったというお子様が苦手を克服し、ここで初めて食べられた!と、これからは茄子を使ったおかずのレパートリーが増やせると喜ぶお母さんもいらっしゃいました。

有機野菜に出会える場所
イベント後に行われたアンケートでは、有機野菜や食品を実際に近くで買える店が無い。どこで買えるかわからないといった声もありました。外食となるとさらに情報量は少なく、選択肢も少ないのが現状です。

チャヴィペルト 中山さん
中山さんは、代々続く農家の5代目。埼玉県草加市で有機農業を営んでいます。育てた野菜を食べてくれる人たちのために。地域の人たちに興味を持ってもらい受け入れてもらうために、できるだけ環境に負荷のかからない方法で野菜を育てることを決意したそう。地域の学校の体験授業なども積極的に受け入れ、有機野菜を学校給食にも提供しています。

chavipelto(チャヴィペルト)の畑は、有機JAS認証を取得しており、畑に隣接する店舗では、自社農園で育てた野菜やオーガニック食品、日用品なども取り扱っています。また、チャヴィペルトのデリはオーガニックレストラン認証も取得しており、畑でとれた旬の野菜をふんだんに使ったメニューがいただけます。

バル スバルさんはオーガニックレストランJAS認証店。チャヴィペルトさんから仕入れた有機野菜で季節のおつまみを作っています。

野菜とお酒のバル スバル

オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト
本プロジェクトは、令和7年度「有機農業推進総合対策事業」の一環として採択され、同事業のうち「国産有機農産物等需要拡大支援事業」として、令和8年3月末まで実施されます。本事業では、国産有機農産物等の普及に向けた取り組みとして、これまで継続してきた小売事業者への拡大に加え、飲食事業者(外食・中食など)にも視点を広げ、需要拡大につながる具体的な取り組みをモデル化していくことを目的としています。