エディブルスクールヤード、ガーデンには、教師と生徒だけでなく、ガーデン専任のティーチャーやコーディネータースタッフなどの専門家がいて、ガーデンの作業だけでなく日々の管理や運営をしながらサポートするという体制ができている。

また、彼らの助言やコーディネートにより、作業に必要な道具を収納する小屋の他にも、育苗台のある小屋、鶏小屋、コンポスト、養蜂箱、水回りの設備・・・etc

ガーデンを維持するために必要な建物、設備などがすべて整っている。その多くは、温かみある手作りのもの。どれも生徒たちや生き物たちへの思いやりが満ちている。

忘れてはならないのが、ここに生きる小さな生物たち。ガーデン内には、野積みにされているものも含め、いくつかのポイントにコンポストが設置されている。ガーデンから出る作物の残さであったり、キッチンから出る野菜の屑をここに入れ、バクテリアの他にもミミズやその他昆虫類、菌類などにより分解され、いずれ堆肥となったら、またガーデンへ・・・と、循環していく。

ガーデン内ではニワトリも飼っており、日中は放し飼いにされていることも多い。

鶏小屋とはまた別に「チキントラック」という小さな移動式の小屋もガーデン内にいくつか見かけた。チキントラックの中でも、ニワトリたちが、自由に動き回れる充分なスペースがある。この中にニワトリを入れ、雑草を食べてほしいと思う場所に、トラックを設置するというわけだ。エサとなる草がなくなったら別の場所へまた移動させる。雑草を食べてくれると同時に、ニワトリがそこで地面を突っついたりひっかいたり、糞をしたりするこで、その土が作物を植えるのに適したものとなるのだ。

スクールキッチンの建物とはまた別に、東屋のように見える建物がある。ここには水道とシンクが設置されていて、手を洗うことはもちろん、収穫した作物の土を洗い落としたり、皮を剥くなど調理の下ごしらえなどもできるようになっている。

また、近くにはクラス全員が座れる、屋外のピクニックテーブルがあり、晴れた日にはここで全員が食卓を囲み、食事をすることもできる。

石やレンガを積み重ねて作ったピザ釜なども!

天気のいい日、自分たちで育てて収穫した作物でつくり、みんなで食卓を囲み味わうピザは、さぞかし美味しいに違いない。生徒たちにとって、きっと忘れがたい授業となるだろう。そして、調理後のクズなどはガーデンのコンポストへ・・。子どもたちが食を通して楽しさを味わったり、食事の仕方を身につける場であるとともに、地球的課題である食料、環境問題や生態系の保全についてを学ぶ場にもなっている。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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