ようやく日本でも話題にのぼりつつあるが、まだまだ一部の人にしか知られていないグルテンフリー(GLUTEN FREE)食品。通常グルテンを含む「小麦粉」をメインに使用することの多い、パンやケーキ、クッキーなどの焼き菓子、そしてパスタ。これらをグルテンを含まない小麦以外の素材である米や雑穀、蕎麦、とうもろこしや豆類などに置き換えて作られる、いわゆる代替食だ。
欧米では当たり前のように流通しているグルテンフリー食品。特にグルテンフリーのパスタは、違う素材を使ったもの、色や形のバラエティも豊富だ。ライスパスタやキヌア、コーンを使ったパスタなどがおなじみだが、「豆」を使ったパスタで、まるでイカ墨を練りこんだような黒い色が印象的な、「黒豆パスタ(BLACK BEAN PASTA)」に注目。
人気の秘密は、「グルテンフリー」であることだけではないようだ。キーワードは「GLUTEN FREE」「LOW CARB」「LOW GLYCEMIC」。原料が黒豆、つまり豆だからたんぱく質が豊富。そして食物繊維も豊富でローカーボ(低炭水化物)であることから、糖質を制限したい人たちや健康志向の人たちに選ばれている。
なんと、原材料は黒豆と水だけ。しかもUSDA認証。細麺タイプのものは、92%が黒豆で、8%が水だとの記載がある。小麦粉のように粘りや弾力がない豆で、細麺タイプはともかく、スパイラルのROTINI(ロティーニ)パスタまで、添加物を使わずに成型している。
味は「黒豆」そのものだ。食感も豆らしくざらりとしているため、これはパスタとは別物だと思っておこう。欧米の人はサラダやスープ、チリコンカンや肉料理の付け合せになど、豆料理を多く食べるので、意外と違和感がなく食べられるのだろう。普通のパスタのようなツルツル、シコシコ、もっちり、といった味わいは期待できず、日本では味や食感、色の好みからもしかしたら難しい製品かもしれない。
とはいえ、代替食の選択肢が多いのはうらやましい限り。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。