メキシコ、アメリカなどでポピュラーな食べもの、トルティーヤやブリトー。サンドイッチの具材をトルティーヤで包んでロールにしたブリトーなど、小麦粉を使ったものやトウモロコシの粉を使ったものが一般的だった。

2016年の記事「ORGANIC・RAW ・VEGAN・GLUTEN FREE・NON-GMO 小麦やコーンを使わないベジラップ(ORGANIC WRAPS)」でもご紹介したように、グルテンフリーブームもあってラップ生地は、穀類ベースから野菜や果物を使ったものへと進化し、さらにバリエーションを増やしている。

今回の「Natural Products Expo West 2019」における注目キーワードは、プラントベース(PLANT BASED)、パレオフレンドリー(PALEO)&ケトフレンドリー(KETO)。

※plant based : 本来の発音では「プラントベースド(トゥ)」となりますが、オーガニックプレスでは日本語として認知しやすい「プラントベース」と表記しています。

NewGemのサンドイッチラップは、海苔のように薄く柔らかいので、サンドイッチの具だけでなく、野菜を蒔いたり、巻き寿司のようにつかったりと工夫次第で色々な料理にアレンジも可能。カラフルな色もまた、食卓を華やかに楽しいものとしてくれそうだ。

一般の小売用には1枚ずつシートになっていて、シートからはがして使うような仕様になっており、飲食店などの業務用として、ロール状にしたものもある。

海苔のように薄いラップに関しては、今までも大豆を使ったものが流通していたが、パレオフレンドリー(PALEO)のブームにより大豆以外の野菜、果物を使った商品が増えている。

大豆から出来ているSoy Wrappers

今回展示会に出展していたNewGemの製品は「食品廃棄物を減らしたい」という想いから開発されたところも興味深い。

パンやトルティーヤなど賞味期限の短いパンは、食品廃棄物の最大の原因の1つで、製造過程でのロスをはじめ小売店、飲食店での売れ残り、そして家庭で食べきれずに大量に廃棄されている。パンの代わりに野菜や果物からできたものでサンドイッチを作る(パンをなくす)ことで、グルテンフリーで低炭水化物の健康的な食事を実現するだけでなく、食品ロスの削減につながるという考え方だ。また、賞味期限の短いパンに比べ、常温で1年保存も可能なので、冷蔵や冷凍にかかるエネルギーも節約できる。

日本でも、廃棄予定でだった食材を利用するなど食品ロス問題に取り組む企業が増えている。規格外となって捨てられてしまう野菜や果物を、廃棄したり安く売ったりするだけでなく様々なアイディアで商品化。消費者は“美味しく、楽しく、食べることを通じて社会問題に貢献する。”企業は“商品を通じて課題を解決し、持続可能な社会の実現を目指す。”これからは そんな製品づくりが求められ、また評価される時代だ。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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