オーガニック食品売り上げ規模世界第4位*を誇る中国。情報が少なく知られていないお店もあると思うが、ここへ来ればオーガニックなものがすべてそろう!といった、オーガニック専門のスーパーなどはまだまだ少ないように思う。そんな中、上海で数店舗展開している「GREEN&SAFE」。デリ、カフェ、レストランが併設された、スタイリッシュなお店だ。
*Source:FiBL「The World of Organic Agriculture 2018」
有機野菜や果物が、パックされずに売られているのは珍しい。プライスも中国語ではなく英語表記がみられる。お店の外観も売場づくりも欧米スタイルだ。
調味料や加工食品はローカルブランドはあまりなく、ほぼ輸入品。特にイタリア食材が多いという印象。日本の専門店に比べると物販の品揃えとしては少なく、1カテゴリーにおける選択肢は少ないが、有機野菜や生鮮食品の他、加工食品、ワインやパンなどがセレクトされていて、オーガニック&ナチュラルな食品がここに一通り揃っている。
そんな中、饅頭や餃子のような中国らしい冷凍食品も!
健康的な育てられ方をした肉類も購入できるのは嬉しい。
2階はレストランになっている。客層も欧米人率がかなり高い。そんな中、やはり上海在住の中国の若者層の姿が目立つ。デジタルを駆使し、情報量も豊富で海外にも良く出かけるような、いわゆる中国のミレニアル世代だ。
ホールスタッフがオーダーを取りに来るのではなく、ニュースペーパーのようなメニューに直接、注文したいものをチェックしてレジへもっていき、先払いするというシステムだった。欧米人の多い土地柄ということで中国語とともに英語の表記もあり、素食(ベジタリアン)のメニューにはマークがつけられ、わかりやすくなっている。
グラスフェッド(牧草飼育)のアンガス牛やUSDA認証のオーガニックビーフなど、安心安全でおいしいお肉のメニューも充実しており、ベジタリアンの方もそうでない方も一緒に気軽に楽しめる。メニューはバーガー、ステーキ、ピザやパスタといった、完全に欧米スタイル。ビールやワインなどのアルコールなどドリンクメニューも豊富だ。
中国ミレニアル世代の価値観や生活習慣は、確実にオーガニックへ向かっていて、食において、安心安全やクオリティを重視する人も増えてきている。
現在はまだ、欧米のスタイルをそのまま取り入れているが、国によってサービスや食文化が異なるのは当然のこと。中国独自の進化を遂げたオーガニック専門ショップが、今後ますます増えていくことに期待したいと思う。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。