Natural Products Expo West 会場でひときわ賑わいを見せていたブース、Konscious Foodsは、カナダ発のスタートアップ。こんにゃくやエンドウ豆由来のプラントベースシーフード(代替魚介類)を使用した、寿司(カリフォルニアロール)やポケボウル、おにぎりを展開している。マグロやサーモンなどの魚、カニなどの甲殻類を、植物由来の原料で再現。ベースに有機米や全粒穀物を使用し、野菜、豆類、果物などを組み合わせた見た目にも楽しく個性的なメニュー。100% 植物由来、非遺伝子組み換え、グルテンフリー!

その大きな特徴は、「冷凍食品」であるということ。保存がきくのでとても便利!日本では、よく節分の恵方巻などのフードロスが問題になっているが、冷凍ならそんな悩みも解決できるかもしれないと感じた。また、レストランに行かなくても、家庭で調理しなくても、解凍するだけでそのまま手軽に食べることができるのはうれしい。コロナ禍には冷凍食品のニーズがより高まったと聞く。何かと忙しい現代では、買い置きや保存ができることだけでなく、調理時間短縮化ニーズに応える食品が求められている。

ラインナップ
※すべて100%植物由来

【SUSHI ROLLS】
CALIFORNIA ROLL
RAINBOW ROLL
SPICY CALIFORNIA ROLL
TUNA AVOCADO ROLL

【POKE BOWLS】
TUNA POKE BOWL (プラントベースマグロ使用)
SALMON POKE BOWL (プラントベースサーモン使用)

【ONIGIRI】
KALE GOMAE ONIGIRI
JAPANESE VEGETABLE CURRY ONIGIRI
KOREAN BBQ MUSHROOM ONIGIRI
ROASTED CORN + POBLANO ONIGIRI

※原材料例:RAINBOW ROLL

Sushi roll: Water, Rice, Carrots, Mango, Rice vinegar, Jasberry rice, Cucumber, Sunflower oil, Organic tapioca syrup, Organic cane sugar, Seaweed, Sea salt, Maple syrup, Red quinoa, Konjac, Tamari (water, soybeans, salt, alcohol, lactic acid, rice vinegar), Organic chickpea miso [organic rice koji (organic rice, koji spores), organic chickpeas, sea salt],Pea hull fiber, Tomatoes, Xanthan gum, Vitamin B12, Iron, Paprika, Sesame oil, DHA algal oil, Lycopene (from tomatoes), Agar, Sodium carbonate, Vegetable juice for color,Calcium chloride, Citric acid.

Tamari sauce: Water, Soybeans, Salt, Alcohol, Lactic acid, Rice vinegar.

オーガニックの食材も取り入れ、蒟蒻、海藻、たまり醤油、味噌(麹)、米酢など、日本の食材も多く使用している。

最初見たときは、もともと寿司やおにぎりは和食なので、「なんだか、海外発の製品に先を越されしまっているなぁ。」と、少し残念に思った。それに、和食のようでも海外らしい発想でアレンジされており「本当の日本食とはちょっと違うんだけど・・。」と、残念な感がある。それでも、彼らの五感を刺激するようなビジュアルの演出や、ヘルシーフードとして訴求しているところなど、見習いたい部分は多い。

ネタとシャリが一体になった、本物の生の魚介類を使った寿司を冷凍食品として流通するというのは、なかなか難しいかもしれない。が、焼きおにぎりの冷凍は既にあるし、プラントベースの寿司なら、日本の冷凍技術を使えば風味を損なうことなく実現できるかも?

日本ではいわゆる“カニカマ”のように、植物由来ではないが、技術と創意工夫で本物そっくりな代替食を作ってきた歴史もある。蒟蒻、寒天や海苔、昆布などの海藻類、椎茸などのキノコ、豆腐、発酵食品等、日本ならではの魅力的な食材も多くある。

プラントベースの和食が、現代のライフスタイルに合うようなかたちで、日本から海外へと輸出される日も近いかも?

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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