MARTIN LUTHER KING MIDDLE SCHOOL(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア中学校)の「エディブル・スクールヤード」。教職員、生徒、ボランティアの多くの人たちの手により、長い時間をかけて作られ維持されてきたこのスクールガーデンには、生徒たちのアイディアや手作りのものが満載だ。

RAMADA(ラマダ)と呼ばれる、集会所。ガーデンクラスの始まりと終わりに全員がこのラマダに集まる。

夏には蔓性の植物などの葉が生い茂って、自然な日よけの場所ができる。これら、エディブルスクールヤード内のラマダをはじめとするほとんどの構造物は、ガーデン周囲で育った木や枝などを使って作られている。

「Welcome To The Ramada」と書かれた看板、植えられた野菜や穀類、果樹などの名前が書かれた木でできたプレートなども、すべて生徒たち手作りのものだ。

雨などにも強いプラスチックや油性のペンで書かれたものはなく、全て木材にペンキで手書きされている。板の長さも書き方も統一されたものではなく、イラストなども自由に描かれている。創造性の豊かな子供たちの感性がそのまま表れている。カラフルなものだが、ナチュラルなガーデンに違和感なく溶け込む、温かみがある。

作業小屋にずらりとかけられたグローブがまた、とても印象的だった。

生徒たちが共有している作業用グローブ。左右の手の組がバラバラになってしまわないように、なくなってしまわないようにと、洗濯ばさみを板につけて、グローブを組ずつクリップするようになっている。これらも、生徒から出てきたアイディアで、手作りのものだそうだ。

整理整頓をすることにより作業効率をより良くすること、大人数で共同作業を行うにあたりルール作りをすること、など、子供たちは体験的に身につけている。

子供たちが簡単に小屋から持ち出されるようデザインされた、車輪が付いたラック。ここにかけられた長靴も、左右の足がちゃんと対になるように番号が書かれ、整理整頓されている。

これらが収められている作業小屋や、鶏小屋などの建物もまた、自然素材を使ったものだ。大人の知恵と子供の知恵。専門家により計算されて造られているもの、子供のアイディアにより生まれたものなど、様々なものすべてが、自然がもたらす景観にも上手く溶け込んでいるのが印象的だった。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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