ここ数年の間に、海外のオーガニックスーパーの売り場が変化している。

まずは青果売り場。野菜や果物に過剰包装しない「ばら売り」「裸売り」「量り売り」のスタイルや、ダイナミックに積み上げた野菜が印象的なオーガニックスーパーの青果売り場が、若干縮小傾向に。その縮小したスペースにできたのが、カット野菜のコーナーだ。あきらかに、カット野菜の売り場が拡大している。

自宅に持って帰った後は、盛り付けるだけ、焼くだけ、炒めるだけ、煮込むだけ・・・といったように、用途に合わせた大きさにあらかじめカットしてある、半調理食品(Leady to cook)。数種の野菜やキノコ類などがミックスされているものなどもあったり、とにかく品揃えが豊富で、しかも、オーガニックの野菜。日本でカット野菜といえば、炒め物用やサラダ用などで、袋に入っているものが多いが、こちらはカップタイプ。野菜の切り方、そのカラフルな色合いなどもしっかり見えるような、面で魅せるような形状の容器だ。

野菜の皮などの捨てる部分もなく、土や泥などを落とす手間なども省け、調理時間が大幅に短縮されて合理的。レンジでチンするだけの調理済み食品、インスタント食品に比べれば健康的だから、できれば料理したい、でも、時間がない・・といった、毎日忙しくて調理にあまり時間をとられたくない方、小さなお子様のいるママたちにはとっても便利!海外のオーガニックスーパーは、現代人の多様化するライフスタイルや健康志向のニーズに、しっかりと対応した品揃え、売り場づくりをしている。

お肉の売り場では、MADE RIGHT HERE!の文字が。加工されたものを仕入れて売るのではなく、店内で販売している材料を使って店内の厨房で作ったものの販売を強化している。オーガニックの生の肉類の他、ソーセージなどの他、肉類にスパイスやハーブなどで味付けをし、衣をつけて、あとは焼くだけ、揚げるだけ、煮るだけ、、、といった状態の、こちらも半調理食品に力を入れている。

冷蔵保存の瓶入りのスープは、お店のオリジナル。自宅で好きな分を好きなだけ温めていただく。スパイスなどを追加するなどして自分好みの味にしてもOKだ。インスタントでは味わえない本格的な手づくりの味が家庭で手軽に楽しめるのがうれしい。

デリコーナーは相変わらずの人気。ここ数年の変化と言えば、RAW FOODのコーナーが充実してきたということ。コールドプレスジュースをはじめ、RAWのスイーツやお惣菜などは冷蔵販売が基本なので、デリコーナーに並びRAW FOODコーナーが広くスペースをとっている。

ちなみに、MADE RIGHT HERE!店内の厨房で作っている、いわゆるデトックスウォーターも、どうやら定番のジュース売場に仲間入りしているようだ。オーガニックの野菜や果物、ハーブだからこその、万が一の虫混入問題、菌の問題など、大丈夫かなぁ・・・と、ちょっと心配になる。日本では、難しいかも。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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