オーガニックプレスが「オーガニック番付2024」を発表!2024年の1年間を通して話題になった商品やサービス、キーワードをランキング形式でご紹介します。2023年のオーガニック番付上位にあった「アップサイクル」「プラントベース」といったトレンドや、特定の食材の注目度は下がりつつあり、2024年は環境問題に関連する話題が多くランクインしています。

今年の番付第1位は「脱プラスチック(脱プラ)」。世界中で脱プラスチックの動きが加速している中、環境先進国と呼び声の高いドイツの小売流通業では、どのような取り組みがなされているのか?今後日本の目指すべき方向性を検討する上で参考になりそうな事例をご紹介させていただき、大変多くの反響をいただきました。

日本では 2020年7月1日より、プラスチック製レジ袋の有料化がスタートしました。これを機に消費者の行動意識変容が促され、エコバッグの利用やマイボトルの使用など、個人レベルでの小さな取り組みは定着してきています。

一方の小売流通(事業者)においては脱プラへの取り組みは、加工技術の向上が必要なうえ生産コストもかかる傾向にあり、資材のコスト増は最終的に消費者にも大きな負担としてのしかかります。そういった様々な課題もあり、取り組み方を模索している段階にとどまっている企業も多いのではないでしょうか。それでも、容器包装のプラスチックの使用を減らしたり、環境負荷の少ない素材への切り替えを積極的に進めるなど、脱プラに取り組む企業は確実に増えてきています。

【1位】脱プラスチック(脱プラ)

BIOFACH 2024で、環境に優しい容器にパックされた農産物が多く展示されていました。特に目立って印象的だったのは、りんごや梨をパックするための紙容器。脱プラのため、エコのため、というだけではもったいない!是非日本でもマネしたい取り組みです。

また、ドイツのスーパーマーケットで、有機野菜が実際にどのような包装で売られているのか?ミュンヘン市街地にあるREWE(レーヴェ)の事例をご紹介。有機、慣行にかかわらず、日本の青果物流通業界でも是非マネしてほしい取り組み。青果売場のプラ削減となるヒントが、ドイツのスーパーマーケットにはたくさん!

▽ドイツのスーパーマーケットにはヒントがいっぱい!有機農産物の脱プラ事例
https://organic-press.com/world/world_report146/

▽有機農産物の包装資材をサステナブルに!マネしたい海外の事例
https://organic-press.com/world/world_report144/

▽ミネラルウォーターの脱プラ!デザイン性が高くリユース可能な“アルミ缶ボトル”時代がくる
https://organic-press.com/world/world_report142/

【2位】“堆肥化可能”な包装資材

これからは原料となるバイオマスの割合や原料産地まで、求められる品質基準も厳しくなり、“Compostable Packaging”が当たり前の時代に。植物由来100%かつ生分解性プラスチックで“堆肥化可能”であること、さらには“家庭用コンポストで堆肥化可能なレベル”のものが求められるようになりそうです。

【今後有機農産物の包装資材に求められること】
◎再利用可能
◎リサイクル可能
◎100%生分解可能
◎100%植物由来原料

◎堆肥化可能 (産業用コンポスト⇒家庭用コンポスト)
◎国内調達可能な原料
◎アップサイクル原料 

 

▽有機農産物の包装資材に“堆肥化可能”な素材への転換が求められている
https://organic-press.com/world/world_report145/

【3位】オーガニックおにぎり

2024年は多くのメディアで「おにぎりブーム」が取り上げられていました。日本でも、海外でも人気が高まっているおにぎり。日本ではおにぎりの有機認証(オーガニックおにぎり)がなかなか進まない現状がありますが、ドイツのRice UP onigiriは、既に2011年から有機認証のおにぎりを販売しています。


▽熱望!日本の有機米で美味しいBIO-ONIGIRI(オーガニックおにぎり)を
https://organic-press.com/world/world_report143/

【4位】リジェネラティブ・オーガニック

リジェネラティブ・オーガニック認証(RO認証)は、土壌の健康・動物福祉・社会的公正の3つを柱とした、オーガニック認証マークの総合的かつハイレベルな認証マークとして2020年にアメリカで設立されました。生態系の健全性を守り、気候危機の長期的な解決を目指しています。

 

▽パタゴニア プロビジョンズからリジェネラティブ・オーガニック認証取得のパスタが新発売
https://organic-press.com/news/patagoniaprovisions_news04/

▽パタゴニア プロビジョンズより国産不耕起有機大豆使用「オーガニック味噌」新発売
https://organic-press.com/news/patagoniaprovisions_news03/

【参考】2023年の記事

▽リジェネラティブ・オーガニック認証「ドクターブロナー RO バージンココナッツオイル」新発売
https://organic-press.com/news/naturesway_news13/

▽Regenerative Organic 認証 (ROC)取得ブランドSIMPLi のプラスチックフリーパッケージ
https://organic-press.com/world/world_report125/

【5位】有機酒類

2022年10月1日から有機加工食品のJAS規格の対象に有機酒類が追加されることとなり、有機酒類も、有機加工食品のJAS認証を取得すると、有機JASマークの表示ができるようになりました。2024年になり、有機認証の国産のお酒が増え、有機米を使った日本酒のプロジェクトなども注目されました。

▽未来につながる日本酒のシンボルに。ビオサケプロジェクト「つなぐ 純米酒 白露仕込み」
https://organic-press.com/news/ovj_news19/

▽有機芋焼酎「古式有機原酒 なゝこ2024」5月27日(月)数量限定発売開始
https://organic-press.com/news/hamadasyuzou_news01/

▽「#J(ハッシュタグジェイ)有機米使用純米酒180ml缶詰」2024年3月25日(月)新発売
https://organic-press.com/news/ozeki_news01/

【6位】オーガニック台湾中華調味料

台湾中華調味料「有機オイスター風ベジソース」、「有機豆板醤(トウバンジャン)」、「有機豆鼓醤(トウチジャン)」、「有機ラージャオ醤」の4品が新発売。今まで難しかった有機JAS認証の中華系調味料ですが、ご家庭だけでなくレストランや、有機加工食品の原料としてなど、オーガニック料理の幅が広がることとなり、リリースが注目されました。

※2020年2月1日から日本と台湾が有機同等性を相互承認されたことにより、台湾で生産・加工された有機農産物及び有機加工食品が「有機」等と表示して、相互に輸出入が可能となりました。


▽有機JAS認証「オーガニック台湾中華調味料」4品が新発売
https://organic-press.com/news/kazetohikari_news10/

【7位】サルベストロール

▽海外で臨床試験結果発表!オーガニック農産物に豊富な天然成分サルベストロール
https://organic-press.com/topics/salvestrol_05/

【8位】海藻・有機藻類

▽有機JAS認証取得!北海道産「有機焙煎昆布粉末 業務用300g 」新発売
https://organic-press.com/news/mirakuen_news04/

▽オーガニックレシピ
https://recipe.organic-press.com/tag/seaweed/

【9位】オーガニック給食でJAS認証取得

▽学校法人として日本初!リンデンホールスクール(小・中高学部)オーガニック給食でJAS認証取得
https://organic-press.com/news/local_news40/

【10位】建築・宿・家づくり

▽持続可能な社会のために~つくり手も未来のこども達も幸せな家づくりを目指して
https://organic-press.com/feature/hirai_01/

▽一日ひと組限定!自然素材を追求した、体と心にやさしい宿「アイショウ」オープン
https://organic-press.com/news/aisho_news01/

▽木造商業ビルnonowa国立SOUTHの1階に「ビオラル国立駅前店」3月27日(水)オープン
https://organic-press.com/news/life_news08/

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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